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東京都新宿区大京町12-9
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あしたのゆめしか 展
2022/3/15(Tue)-3/27(Sun)
11:00-19:00(最終日は17:00まで)
2F ACT1
月曜休館
「あしたのゆめしか 展」
■会期
2022/3/15(火)-3/27(日)
11:00-19:00 ※月曜休館、最終日17:00まで
■会場
The Artcomplex Center of Tokyo (ACT)
〒160-0015 東京都新宿区大京町12-9,2F ACT1
TEL 03-3341-3253
E-mail info@gallerycomplex.com
■入場料 無料
※オンラインショップは初日17時より販売開始いたします。
■ 出展作家
Ayako Ono/池田はるか/大槻香奈/木ノ戸久仁子/じん吉/NOVI./森屋たいと
[展示内容・ゆめしかの歴史]
この度は大槻香奈の絵画作品『ゆめしか』(2014年)から誕生したキャラクター「ゆめしかちゃん」をテーマとするグループ展<あしたのゆめしか展>を開催いたします。
【図1】絵画『ゆめしか』2014年
「ゆめしかちゃん」とは、子供用のベッドに入ったまま大きくなってしまった頭の大きな16歳の女の子のキャラクターです。大槻が最初に『ゆめしか』を制作した当時は、絵画の中にキャラクターを描いた意図はなく、夢と現実の狭間で生きる現代人が夢の世界に浸って抜け出せなくなってしまうおっかなさを「夢しかみれない現実」というテーマで完成させたものでした。
引きこもりや大人になれなさが社会問題となる中、そうならざるを得なかった個人的な事情と向き合うための、かといって夢の世界に浸りすぎていると現実世界にいよいよ戻れなくなってしまう危機感とを一枚の絵画によって問いかけていました。
『ゆめしか』を何度か展示していく中で、ベッドから半分起き上がったその女の子は、鑑賞者から次第に「ゆめしかちゃん」と呼ばれるようになっていきます。 絵画の世界から意図せず自立してしまったゆめしかちゃんは、2015年にキャラクターとして扱われ、大槻の手によりアート作品として作り直されることになります。そうして完成したのが『ゆめしかちゃん -小さなベッド-』という立体作品でした。
【図2】『ゆめしかちゃん -小さなベッド-』2015年(撮影:廣瀬育子)
【図3】『ゆめしかちゃんミニ』2015年(撮影:廣瀬育子)
キャラクターとしてのゆめしかちゃんは、大人になっても無理やり子供用のベッドに寝ているせいで頭がベッドに入らないぐらい大きくなっています。そのビジュアルは、幼児向けコンテンツによく見られるような頭の大きなキャラクターに似せる形で制作しています。
幼さに見慣れてしまった私たちは、ゆめしかちゃんを一目みて、頭が大きくベッドに入らない違和感に気が付くことはありません。そんな皮肉も交えつつも、軽々しく見捨てることはできない愛しい気持ちを、日本的カワイイ表現に落とし込んで制作したものでした。
単なる夢の世界だけでは収まりきらない、コンプレックスと愛しさのバランスを仮に「ゆめしか」という概念として捉えてみたとき、大槻以外の作家がそれに近い表現を目指したときにどのようなビジュアルが生まれるのか?という興味から、本展の企画が生まれました。
本展は絵画・イラストレーション・陶芸・立体・クラフトなど、参加作家の表現形態は様々で、それぞれの視点から「ゆめしか」を捉えて作品化して頂きました。あるいは「ゆめしかちゃん」というキャラクターを使って自由に表現して頂きました。
大槻個人としては、2020年からのコロナ禍で、現実世界が思うようにならない時代に突入し、「生きる軸を夢の世界にも置いておく」重要さに気づかされています。自ら夢の世界を断ってしまったら、現実が崩れたときに生きていけなくなることを考えました。当たり前に現実逃避も悪ではないのです。2014年に描いた『ゆめしか』や、2015年にキャラクター化された『ゆめしかちゃん -小さなベッド』で皮肉として描かれていた現実逃避のおっかなさが、今となっては意味合いが逆転して、それらの作品が当初とは違った意味合いを持ち始めたように感じています。
夢と現実の狭間を行き来するのは人間の生きる本質のひとつで、人々の多くはそのどちらもを完全に切り離すことはできないように思います。生きるためには曖昧な「ゆめしか」の輪郭を見つめなければならなくて、そうやって目を凝らしているうちはきっと健やかに生きていけるのではないかと思います。本展を通して、夢と現実の間にある心の在処を見つけて頂けるようであれば幸いです。
2022年1月 大槻香奈
-Ayako Ono
2006年ネバダ大学リノ校教養学部美術学科卒業。2010年ネバダ大学ラスベガス校大学院美術学科修士課程修了。人混みの中で感じる違和感や疎外感、同時に感じる気楽さや開放感など、作家自身の経験を基にアイデンティティーを問いかける作品を制作。人によって異なる印象を与える青色を用いて駅や電車を描き、作家がこれまでに触れてきた様々なフィルターを重ねながら周囲との対比を描く。
https://twitter.com/AObluepaintings
-池田はるか
1990年生まれ。作家・イラストレーター。2013年に武蔵野美術大学・油絵科卒業。2017年より展示活動を行う。正反対の二人の女の子の、ちぐはぐなコミニュケーションをテーマにイラストレーションや絵画作品を発表。誰もが持っている自身や相手に対する「幼さ」を、親しみやすくコミカルに、時に切なげに描いている。
https://twitter.com/komiyaki
-大槻香奈
1984年生まれ。京都府出身の美術作家。主にアクリル絵具を使用した平面作品を中心に、自身の興味の対象である「から」(空、殻)、空虚さを感じるモチーフを通して、現代日本の形を捉えようとしている。また書籍の装幀やCDジャケットを描き下ろすなど、イラストレーターとしても活動。2021年には、日本の精神性をうつわ性に捉えなおす試みとして「日本現代うつわ論1」(ゆめしか出版)を企画。
https://twitter.com/KanaOhtsuki
-木ノ戸久仁子
1976年生まれ。滋賀県出身の陶芸家。「人はなぜ石を作るのか?」という独自の問いを胸に、陶芸の手法を用いて自然界には存在しない"稀晶石"という石の作品を制作している。国内の様々な展覧会に参加。1995年に登り窯窯元宗陶苑にて作陶を始め、1998年にはニュージーランドにて一年間作陶。2001年、信楽窯業試験所釉薬科修了を経て、現在は滋賀県の比叡平にて制作している。
https://twitter.com/kinoto_kuniko
-じん吉
1996年生まれ。愛知県出身のイラストレーター。嵯峨美術短期大学コミックアート分野卒業。主にアクリル絵具を使用し、食や暮らしを中心とした日々の心落ち着く風景を、独特の色使いで表現している。非対称を感じさせるモチーフ選びや画面作りを通して、日々の心の揺らぎを捉え続けている。展覧会のほか、文芸誌「ほしのたね」の装画など、イラストレーターとしても活動を広げる。
https://twitter.com/ajara_jin
-NOVI.
1987年生まれ。埼玉県在住。 グラフィックの専門学校を卒業後、数々の仕事を経験し、現在は木工の仕事の傍、作家活動をしている。主に動物モチーフを扱い、絵を物に落とし込むスタイルが特徴的。単なるイラストレーションやグッズ制作の領域に留まらず、裁縫、シルク印刷、立体物、革細工など、工芸品のような手つきで繊細なものづくりを行う。近年は、昔から好きな文字を描くことも行っている。
https://twitter.com/NOBIRU80
-森屋たいと
1990年生まれ。京都府在住の造形作家。天橋立の近くで生まれ育つ。石粉粘土を使用し、可愛さのイメージを大事に「イラストどーる」という人形シリーズを数年にわたり数多く制作。2次元と3次元の架け橋のような形を模索し続けている。日々新しいことを発見するために、水彩鉛筆、色鉛筆、水性ペンなどを使用したドローイングも制作している。
https://twitter.com/moriya1127
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